こんにちは!永福町・西永福の歯科医院、永福ファミリー歯科クリニックです。
厳しい暑さが続いておりますが、暦の上では秋ですね。そして秋といえば『防災の日』。
8月8日(木)に南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表され、日々の防災意識の高まりを感じますが、「具体的にどんな注意をすればいいの?」という疑問にもぶつかりました。
今回は歯科の観点から「おすすめの防災グッズ」についてお話しできればと思います。
歯磨きができなくなった時に備える
大きな地震が起きると「停電」と「断水」が起きる可能性がありますが、皆様は電気と水、どちらの復旧が遅いと思いますか?
答えは「水道」です。
電気が1週間程度で復旧するのに比較し、水道は3か月程度と、圧倒的な差があることがお分かりいただけるのではないかと思います。
元日に起きた能登半島地震では、水道管が破損して広範囲に断水が発生しましたが、全ての復旧※にはゴールデンウィークまでかかったそうです(※早期復旧が難しい地域を除く)。
お正月からGWまで水道が使えない不便さを想像すると、被災された方の多くが「お水の大切さ」を訴えられる気持ちが身にしみて分かるような気がします。
水不足がもたらすお口のトラブル
被災時、歯ブラシがあればとりあえず大丈夫と考える方も多いかもしれませんが、断水が起きると綺麗なお水が貴重になり、歯磨きが後回しになってしまうことがあります。
お口の中が不衛生になると、むし歯や歯周病のリスクが増加するだけでなく、誤嚥性肺炎のリスクが増加します。ご高齢の方、入れ歯をお使いの方は特に注意が必要です。
実際、阪神淡路大震災では誤嚥性肺炎で多くの方が命を落とされたことが分かっています。
歯磨きよりも飲み水が大切という状況は十二分に起こり得ますので、口腔衛生を保つために事前に備えられることがあればぜひ対策していただければと思います。
思っているより深刻な口腔衛生
お水がないことが、口内環境に及ぼす影響は他にもあります。
断水がおきてトイレが流せなくなると、「トイレを我慢しよう」と、できるだけ水分を摂らない方が増えるそうです。
水分補給が減るとお口が渇き、お口の中で細菌が増え、口臭・むし歯・歯周病などのトラブルが増加します。
むし歯や歯周病、誤嚥性肺炎を発症した場合、震災時はいつも通りの治療が受けられるとは限りません。
お口のトラブルは思っているより深刻な事態を招くことも頭に入れておいていただければと思います。
歯科医がおすすめする防災グッズ
まず非常用品としておすすめしたいのが「フッ素配合の洗口液」です。
特にノンアルコールタイプは、アルコールタイプよりお口が渇きにくいこと、小さなお子さまでも使いやすいことがおすすめの理由です。
普段からお水ですすいでいる方は、断水時だけこちらを使用していただくことで、お水の節約にもなりますし、歯磨きの代用品として使用していただくことが可能かと思います。
アルコールタイプをお使いの方も、非常用にノンアルコールタイプを1本ご用意いただければ安心です。
おすすめ②“うがい不要”の歯磨剤
日本では、歯磨剤で歯を磨いた後、お水で口をすすぐことが習慣化されていますが、歯磨剤の中には“うがい不要タイプ”の物があることをご存知でしたでしょうか。
泡タイプのもの、ジェルタイプなど、いくつかの種類がありますが「うがい不要」といった内容の記述がある商品をお選びいただければと思います。
当院では、お口の健康を第一に予防に特化した診療を行っています。
いかがでしたか?つい後回しにしてしまいそうな歯科用グッズですが、普段からフロスや歯間ブラシなど、嵩張らない歯科グッズを持ち歩いていただくことでもイザという時の備えにつながると思いますので、ぜひご検討いただければと思います。